JA6VQA流 FT8 運用Tip’s集
【今なぜFT8なのか】
ブームではない。ブームはいづれ去るもの、FT8は通信の革命といった人がいた。
革命はオーバーかもしれないが、AMだけの時代にSSBが芽を吹き、新しいモードに
なったと同じと感じる。
世界的な新しい潮流です。この流れに乗り遅れるないように、経験してみよう。
DiGiが好きとか嫌いといっている時代ではない。懸命についていかないと取り残さ
れる。
太平洋の真っ只中でトローリングしますか? 獲物がたくさんいる釣堀で楽しみま
すか?どちらが楽しいでしょう。
Clublogが2017年の年間交信記録を集計したグラフ
緑の線がFT8のUSER。圧倒的な増加です。
【FT8 申請関係 Tips】
「付属装置」による運用が免許されている局は直接総通へ電波形式の変更申請を。
「付加装置」など送信機に変更を必要とするときは保証認定機関で保証認定が必要。
既に「F1D」を取得済みの場合は電波形式の変更届を総通へ、この場合は即運用が
可能。
申請関連の参考WEB
http://www.st.rim.or.jp/~jr1bas/Henko_sinsei.html
【FT8 SOFT】
FT8に対応したソフトは2つある。
WSJT-X 本家by K1JT Dr.J Taylor(発明者) JTDX UA3DJY Igorによる改造版
WSJT-X:
http://jt65-dx.com/download/wsjt-x.html
JTDX: https://www.jtdx.tech/
○WSJT−XとJTDXはどちらが優れもの?
両者をおなじAUDIOから分岐してDECODEの優劣を比べてみますが、
今のところ互角のようです。片方だけがDECODEすることが時々ありますが、
どちらにもあることです。
使い勝手に違いがありますが、どちらかのソフトに慣れることが重要のようです。
JTDXは評価版があります。たびたびVer.UPが行われております。
WSJT-Xは今のところVer.UPはないのですが、すでにVer1.9にはあたらしいMODEが
予定されているようで、英文ですがマニュアルがあります。このあたらしいMODEは
DX Peditionに特化したMODEのようです。Pedition ModeのPDFマニュアルはここを参照。
JA7UDE大庭さんがPedition Modeのマニュアルを日本語に訳したPDFがあります。
http://www.qsl.net/j/ja7ude/wsjt/FT8_dxpedition_mode_1_9.pdf
JTDXは画面での使い勝手がいいとおもいます。評価版はあくまで評価版で時々BUGも
あるようです。早い完全版が待たれます。
JTDXの使いやすい点
1.GRID SKIPが設定できる。
2.視認性が優れている。
たとえば、送信時タイムバーが赤に変わる。
時間表示の背景色が奇数時(黄)と偶数時で(青)変わる。
RRRかRR73かを選択できる。
右下に交信局数が表示される
【FT8運用についての説明WEB】
懇切丁寧な解説をしたPDFファイルがありますので紹介します。
http://hyogo27.sakura.ne.jp/653/ham_sympo/ham_sympo2019/FT8_20190310_A_v02.pdf
【FT8 受信編 Tips】
● なるべく大きなモニターを使う。Wide Graphは絶対必要。
● AGC を OFF にする。
近くに強い局がいると相当抑圧を受けますので、しっかりしたフロントエンドの
受信機が有利か。
● 近くに強い局が出現したら、送受をその局と合わせると抑圧から逃れることが
できます。
● NR, NB も OFF にする。意外とNOISEや混信に強い。
● フィルターは3KHzにする。
● 時計合わせは必須。SOFTで行うもよし、電波時計で手動であわせてもよし。
● JTAert(最新のバージョンは2.10.8(Http://hamapps.com)を併用しよう。
QSO B4や設定で必要エンティティのアラートが出る。またQRZ.COMを併用して
name,QTHなどの情報もLogできる。
● 受信音を聞く必要がないのでAF VRは絞って運用できるので、回りに迷惑をかけ
ない。
【FT8 送信編 Tips】
● ALCメーターを常時監視し絶対に振らせない。過変調は絶対ダメ。
● パワー計は外付けを使用する。
● Girdの送信をスキップする。WSJT-Xの場合はTX1をダブルクリック、JTDXの場合は
SKPGidにチェックを入れる。
WSJT-XのTX4をダブルクリックしてRR73送出するようにする。これらの設定で
1QSOが最低1分で終了する。 3Y0Zはこの設定をするように求めている。
● 珍局を呼ぶときはスプリット運用をする。
● FT8はJT65よりパワーがいるようです。
● OffBandに気をつけよう。特に80mと160m。
80mは2000HZより上では送信できない。
160mは必ずスプリット運用 送信側ダイヤルセットは1907.5
なお40mと80mのDXBandではJAとは交信禁止。
【FT8 運用編 Tips】
○とにかくクリアな周波数を見つけ「Hold Tx Freq」で呼ぶ。
(WSJT-Xの場合:Shift + クリックで送信周波数を選択。
JTDXの場合:右クリックで送信周波数の選択、左クリックで受信周波数の選択)
○QSO後、忘れずに Log QSO する。WSJT-Xの場合Reporting→LoggingでPrompt
me to log QSOにチェックを入れると73を送ったときLog入力画面が出る
○ SAVE 項目は「None」でかまわない。(wavファイルは大きファイルになるので注意)
○コールする時間の遅れの許容値は2秒か、5秒遅れてもコールバックがあったことも。
○ Setting の Colors で CQ と New Call は目に映える色にして、ニューエンティーを
覚えやすい色に設定するなどの工夫もいいか。
○ log ファイルのバックアップを時々とる。
○Network ServicesでEnable PSK Reporter Spottingにチェックを入れておくと
自分の受信報告が世界中の局にとって役立ちます。
○UDP Serverの設定では3つのチェックボックスにチェックを入れておく。これを忘
れるれるとJTAlertを使うときJTAlertが文句をいいます.
○SettingのGeneralにあるTX watchdogは自動で呼び出し送信などを続ける
時間制限の設定です。5,6分に設定すればいいでしょう。
またBehaviorでDouble-click on call sets Tx enableの□にチェックを入れて
おくとBand Activityの呼びたいコール、またはJTAlertのコールをダブルクリッ
クすると送信するたびにEnable Txボタンを押さなくても送信できる。
○SettingのSequencingで□Holt TX operator I called answered to another
opraterにチェックを入れておくと、DX局をコールし続けているとき他局に応答が
あったときは送信が自動でStopされる。
○珍局との交信ができたときは、念ために画面をCaptureし、保存しておく。
○他局と交信中のDXを呼びたいとき、コールするタイミングはDX局が73を送信して
いるタイムシーケンスの(13/15〜14/15秒)にEnable TXを押す。スプリット周波数
でコールするほうがよい。
○どこまで飛んでいるかのチェックはつぎのWEBを利用すると便利。
https://pskreporter.info/pskmap.html
【その他】
○ PC内臓のサウンドカードでもいいが、PC内のノイズを拾うことがるので、外付けS/B
を推奨します。
ノイズやSSBの混信にも強い。FT8 の限界はー24dBといわれています。
○送信パワーは相手と同じレポートかそれ以下をもらうところに美学がある。
こちらが73を送信するとソフトはLOG INできるが、どの時点で交信成立するかは
相手局の判断しだい。
○CATはなるべく取り入れたほうが良いでしょう。QSYが簡単ですし、各バンドの運用
周波数を覚えなくてもクリック一発でQSYできます。
○LOGは自動、または手動で入力され、.adiでFileが作られるので、Logger32や
Hamlogなどに読み込める。
○QRZ.comに自局のDATAを登録しよう。JTAlerを使用すると、設定により自動的に
交信相手の名前などが表示されます。e-QSLにも自動でUPされます。
○FT-3000,FT-5000を使用している場合、MENUでCAT RSTをDISABLEに設定する。これを
忘れると、PTTが送信に切り替わらならない。
○Omnirigを使用する場合、設定でFT-3000,FT-5000を使用いている場合、RigをFT-950
に設定すると、VFO-Bの影響をなくすことができる。
○JTAlertのインストール、設定の参考WEB
http://ja1xuy.in.coocan.jp/JTDX/JTDX_JTAlert_Setup.html
○英語がわかる方への参考Tips集のWEB たいへん参考になります。
http://www.g4ifb.com/html/ft8_tips.html
パソコンが自動的にやってくれる・・・・と思いがちですが、DXing、
特にレアエンティティーとのQSOにおいてはテクニックも必要な面白いモードです。